<ワクワーク2019 出展企業インタビュー>  第3回 株式会社ライデンフィルム代表取締役・里見哲朗氏

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 さて、ワクワーク2019に出展いただく企業の人事担当の方々に、会社の事業内容や会社の特徴、今年の募集職種や求められる人物像についてお話をお聞きしていく本企画ですが、第3回となる今回は、『アルスラーン戦記』シリーズ『テラフォーマーズ』シリーズなど、数々のアニメ作品を手がけられてきた株式会社ライデンフィルム代表取締役 里見哲朗氏にインタビューさせていただきました。

 数多くのご作品を制作され、また地方にも複数のスタジオを構えている意図、そして今後のアニメ業界の変化について、多くのことを語っていただきました。制作スタジオへの就職を希望されている方はもちろん、広くアニメ業界への就職に興味をお持ちの方はぜひともご覧ください。

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——最初に、御社の事業について簡単にご説明いただけますでしょうか?

里見哲朗氏(以下、里見):
 アニメーションの企画・制作をやっています。
例えば『アルスラーン戦記』や、現在放送中の作品では『キリングバイツ』、今年の4月から放送される『レイトン ミステリー探偵社 〜カトリーのナゾトキファイル〜』の制作を担当しているプロダクションになります。

——ウルトラスーパーピクチャーズグループには、他にもサンジゲンやトリガーといった制作会社がございますが、御社の特徴がございましたらお教えください。

里見:
 トリガーとサンジゲンは弊社よりも少し設立が早かったので、弊社の立ち上げ時から2社と色が違うプロダクションにしようと考えていました。
 具体的には、サンジゲンは3DCG作品を主に手がけており、トリガーはクリエイター主導のオリジナル作品を制作しています。弊社は原作作品があるタイトルのアニメ化に多く関わっています。もちろん、オリジナルをやらないというわけではないのですが、主戦場として原作もののアニメ化が多いため、世の中に出ていくタイトルの数も2社に比べ、弊社が多くなっています。

——会社として大きなターニングポイントになった作品がございましたら、お教えいただけますか。

里見:
 ターニングポイントですか……。会社の規模感が現在も急速に拡大しているので中々難しいですね。設立直後はの話として、『新劇場版 頭文字D』や『テラフォーマーズ』の制作が決まったことで、その後、自社で元請けしていく方向性にシフトしていったことを考えるとその2作品の影響は大きかったですね。
 現在、自社元請け作品を年間複数タイトルやっていく、ということがここ数年続いていますが、作品を担当するにあたり会社の規模感がどんどん拡大しています。世の中で放送されるアニメの本数が増えている状況を考えると、取り巻く環境と会社の成長の足並みが合っているともいえますね。

——制作拠点を東京以外にも、大阪、京都、深谷と複数構えられていることも、そういったニーズに応えていった結果なのでしょうか。

里見:
 制作ボリュームを増やす、ということももちろんゼロではありませんが、どちらかと言えば設立の時から考えていた「人材育成」について本格的に考えたことのほうが大きな要因です。大阪、京都の2つの拠点では、立ち上げ当初からアニメーターの採用をしていましたし、最近では東京でもアニメーターの採用をはじめています。

 それぞれの拠点立ち上げに関しては、「ここでやりたい!」といってくださる方とのご縁が大きかったです。「大阪室長」「京都室長」といった形で、弊社では各拠点の「室長」と呼ばれている人たちに、ある程度の裁量権を持っていただいており、「こういう風にしていきたい!」という室長の思いで、拠点ごとにカラーが生まれていっていますね。

——将来的には、各拠点はどのように連動していくことを想定されていらっしゃいますか。

里見:
 やはりスタジオごとで色が違うので、それぞれの規模感や特徴に応じた形で元請け作品などを制作してもらいつつ、会社全体として密度の高い映像を作れるようになっていきたいと考えています。
 現実的な問題として、今の生産量を維持し続けるためには東京スタジオだけで厳しく、将来的な制作力のボリュームをあげていくためにも、時間はかかりますが地方拠点を充実させていく方向性がよいと思っています。

 直近の目標としては、ハイクオリティという言葉を意識していきたいと考えています。毎年1、2タイトルのフラッグシップ的作品を確実に用意できるようになりつつ、それ以降は会社の関わる作品の中でその比率を上げていくことで、フィルムの密度や面白さをもっと引き上げたいですね。要求されているレベルより、ひとまわり細やかだとか、ひとまわり鮮やかだとか、そういった心を動かせる要素を書く作品に多く持ち込みたいと思います。

——現状で会社はどれくらいの規模感でいらっしゃるのでしょうか。

里見:
 社員の数は50人前後です。ただ、フリーランスとして関わってくださっているクリエイターの方たちも含めると、もっと多いです。会社の忘年会に来てくださる人数だと150人くらいになるので、実際に来れない方も含めると160から170名くらいがコンスタントに関わっていると言えると思います。

——社員の方たちの職種についてもお聞かせいただけますか。

里見:

 職種としては、ほとんどが制作進行です。

——クリエイターを直接採用するというより、マネジメント業務のスタッフをメインで採用していく、というイメージでしょうか。

里見:
 今まではそうでした。
 ただ、世の流れ的な話になりますが、クリエイターの方たちの社員化というのは今後の大きな流れになると思いますし、弊社でも視野に入れています。実際、アニメーターを含めいくつかのセクションで、クリエイティブ職の方たちを一部社員としはじめています。