——話は変わりますが、『君の名は。』は海外でも非常に大きな反響でしたが、海外セールスもプロデューサー自ら担当されるのですか。
酒井:
海外セールスは自社に担当部署がありますので別担当が行ってます。
英語ができる担当が1名、中国語ができる担当が1名、少数精鋭でやってます。
——外国語ができることが採用につながる、ということでしょうか。
酒井:
弊社の特徴でもありますが設立当初から、海外セールスを積極的に行ってきました。
それは自社の強みの一つとして、各作品のライセンスを1社で保持することで、国内外問わず、自由にビジネスをすることが出来たからです。
これからも海外に対して、積極的に取り組んでいきたいと考えておりますし、最近では中国の会社とのお付き合いも増えてきました。それゆえに、英語や中国語のできる方や、語学ではないですが法務関連に明るい方は今後採用していきたいと考えています。
——たしかに海外企業との契約まわりは大変なイメージがあります。
酒井:
そうですね。契約書が英語や中国語でくるだけで、大きなハードルとなるのに、そこからさらに突っ込んだ契約書の内容の精査となると、かなりの重労働でして。そういった点からも語学と法律まわりの知識がある方はぜひ応募いただければと思います。
——それ以外で採用にあたって望ましいスキルなどございましたら教えてください。
酒井:
システムエンジニア系の方も今後採用する可能性があります。
というのも、現在アニメ制作のデジタル化を推進していて、作業用のPCやサーバー関連の管理業務がかなり増えてきています。PCやサーバーなどの機材運用はまったく経験した事のない領域でして…。現在はCG部のチーフと一緒に機材管理を行っているのですがどんどん業務が増えてますので専門の担当がいてくれると助かるなと思ってます。
——まさかの採用職種にびっくりしました! ちなみに、1日や1週間の大まかなスケジュールは決まっていらっしゃいますか。
酒井:
職種によってバラバラですね。
例えば、経理のような事務職などはほぼ毎日決まったスケジュール内で働けますが、プロデューサーとなると、業務が多岐にわたるので、そのときどきでやっていることが違います。打ち合わせ後に、営業に行って、オフィスに戻ってきたら資料作って、制作進捗を確認して……となると、なかなか決まったスケジュール感では動けないです。
会社として全員参加で行っているのは、週始め定例会議です。この会議は一部のクリエイティブ職を除いて、すべてのセクションが参加し、各部署の進捗報告を行います。とはいえ、この会議くらいで、そのほかには決まった時間割はないです。
なので、とにかくフレキシブル。私自身、採用まわりの仕事も担当したり制作として作品準備のロケハンに同行して海外に行ったり、など。
——ロケハンにも参加されるのですね!
酒井:
やはり作品の舞台となる場所の知識を増やすことは必要だと思ってます。それこそ、いつでも、海外へのロケハンやイベントなどに参加できるよう、基本社員全員、パスポートは必須ですね。
弊社は作品を作る際、できるだけロケハンを行いたいと思ってますので作品関わるスタッフは、費用とスケジュールが許す限り全員で現地に行って空気感を感じる。そうすることが、良い作品づくりにつながっていくと信じています。
実際、行かずに資料写真だけ見ているのと、足を運んで、現地の空気を吸って、現地の食べ物を味わって……とするのとでは全然違ってきますよ。以前は韓国に頻繁に行く時期があったり、アメリカ、ヨーロッパにもイベントなどで結構行ったりしてます。
海外に行く事が多い会社ではあるので、海外が苦手、飛行機が苦手となると、少しむずかしいかもしれません。
——社員旅行は毎年やられているのですか。
酒井:
大型作品がない年は、という感じです。行く場合は、社員はもちろん、弊社の作品に長く関わってくださっている方たちにもお声がけをして実施します。ですので、旅行の際は、かなり大人数になりますね。
——お休みなどについてはいかがでしょうか。
酒井:
夏期休暇や冬休みはだいたい暦通りに5、6日あり、他にも有給があります。土日出勤の場合は、当然ではありますが代休を取ってもらうことにしています。
——新卒採用をする職種についてお話をお聞かせください。
酒井:
制作進行と動画スタッフ、背景スタッフの方を募集しております。
さきほど挙げた海外セールス担当、法務担当は、募集要項には乗っていないのですが、こちらもよければご応募ください。
——制作進行について、必要なスキルはありますか。
酒井:
制作進行に必要なスキルは、やる気とコミュニケーション能力、あとは体力ですね。
——コミュニケーション能力の有無は面接の際はどう判断されますか。
酒井:
基本的な話ですが、こちらの質問に対してどう返すか。声の大きさだったり、態度、表情を通して、直接話せばその人の人柄は見えてきますので。たとえば、面接のときに志望動機などを語る時、どれだけのトーンで真っ直ぐ目を見ながら話ができるか、とかですね。
あとは、免許はあるにこしたことはない、というくらいでしょうか。弊社は社用車がなく、車が必要な時はカーシェアを使ってます。ただ、仮に今免許がないとしても、それだけで採用されないということはないです。
——動画、背景についてはいかがでしょうか。
酒井:
動画と背景に関しては、課題テストを受けていただき、実技にて判断をさせていただきます。