<ワクワーク2019 出展企業インタビュー>  第4回 株式会社コミックス・ウェーブ・フィルム取締役・酒井雄一氏

市ヶ谷オフィス9階のラウンジスペース

——インターンに取り組まれているとお聞きしましたが、インターンの内容についてお話をお聞かせください。

酒井:
 働く前段階の取り組みとして、会社の雰囲気を感じていただくためにインターンを実施しています。ただ、なかなかインターンに取り組んでいるということが伝わっていないようで反響がそこまでない状況です。大きな劇場作品が動いているような多忙な時期は別として、会社としては、インターンの受け入れには前向きですし、インターンを通して会社の雰囲気を感じてもらいたいと思っています。

——インターンを始めるまでにはどのようなフローがあるのでしょうか。またインターンではどのようなことを体験することが出来るのでしょうか。

酒井:
 インターンを通してその方の人となりを知ることが、弊社としての目的ではありますので、間口をいきなり狭くして……といったことはないです。ですので、現状としては「インターン、やりたいです!」と言っていただければ、弊社は受け入れる気持ちでいっぱいです。
 インターンの中身については、具体的なプログラムを会社として用意しているわけではないです。僕らから「これをしてほしい」と要望を出すというよりも、入ってくる方の「これをしたい」という要望に合わせさせていただくケースのほうが多いかと思います。

 頻度も、学校の勉強に支障をきたさない程度でも構いませんし、毎日来たいというのであれば毎日来ていただいても大丈夫です。専門学校を通してインターンを実施した際は、先生と生徒さんの希望を聞きながら、授業を圧迫しない程度に、という条件で行いました。

 あとはタイミング次第というところもあります。例えば、背景部に関して言えば、大きな作品制作の準備期間などですと担当者もある程度時間がとれますので指導がしやすいです。
 以前の話としては、『言の葉の庭』の制作が始まる前、美大からのインターン2名に入っていただいたことがありました。制作が本格的に始まる前に週2くらいのペースで来ていただき、その期間で会社の雰囲気を感じてもらいつつ、過去作品の背景を題材に、Photoshopで背景制作に取り組んでもらいました。大体3ヶ月後くらいには、筋の良さが明らかにわかったので、インターンからアルバイトという形に切り替え、報酬を支払う形で、作品制作に関わってもらいました。最終的に弊社に入社し、今も背景美術スタッフとして頑張ってもらってます。

——入社後のキャリアステップはどのようになっていますか。

酒井:
 今回一般大学生の方が多いイベントとお伺いしたので、制作進行を中心にお話させていただきます。

 制作進行としてのキャリアを考えていく上では、プロデューサーとして何をしたいか、ということがすごく重要になってくるかと思います。というのも、冒頭でお話したとおり弊社におけるプロデューサーという仕事は制作ラインを管理するだけでは、仕事として足りないんです。どちらかと言えば企画職としての意味合いが強く、アニメ作品の企画立ち上げから、作品制作におけるマネジメント業務、作品がより多くの人に見てもらうための宣伝、パッケージや配給など最初から最後まですべて携わることになります。

 制作現場にだけこだわりたい、という方にとってはあまり向いているとは言えない仕事です。

 弊社で働くということは、過去の作品によって培われたそれらのノウハウを知っていただくことでもありますし、大型の作品が動く際は、先輩のプロデューサーがどうやって仕事を行っているのか、目の前で見ることが出来ます。そうすると入社1年目だとしても、アニメ作品に関する目線がだいぶ変わると思います。仮に作品の一部だったとしても、自分が関わった作品が、次にどの工程を経てどう変わっていくのかを見て、最終的には劇場やDVD・Blu-rayになってお客様の手元に届くことを目のあたりにすることが出来るわけです。個人的には、これはすごい濃密な経験で、役職とは別の意味でのキャリアアップだと感じています。

——来年の3月に卒業する学生が、今年採用された際、インターンのように来年3月までに会社に顔を出して、事前に学ぶと言ったことは可能なのでしょうか。

酒井:
 実際のところ、いろいろ動いている企画もありまして期間などは要相談ですが、それを手伝ってくれる方がいると大変ありがたいです。

——最後に、アニメ業界を志望する学生に向けて、メッセージをいただければ!

酒井:
 ここまでの内容でお分かりいただけたと思うのですが、弊社は皆さんが思っているアニメーション制作会社といろいろ違う事が多いと思いますので、インターンなどを活用していただき、ご納得した上でご応募いただきたいです。

 また、アニメの仕事に興味があるのなら、いろいろ悩まず、まずは、制作進行を募集している企業に応募してみてください。私もそうやってこの業界に飛び込んであっと言う間に十数年経ちました。一緒に業界で働けることを楽しみにしております!

——お時間いただきありがとうございました!

 酒井氏も参加予定のアニメ業界就職フェア「ワクワーク2019」へのエントリーはこちらから!

<ライター:木内優花 、 編集・撮影:中山英樹>