自分が何者であるかというはなし

その4 個人事業主としての活動とワクワークの立ち上げ

フリーランスとなったはいいものの、最初に得た気付きは「独立というのは、前職で得たスキル、もしくは前職のクライアントとのつながりを元手に仕事を得る」ということが基本であるということでした。TOM時代に自分は多くの経験をすることができたものの、英語やプログラミングのようなわかりやすいスキルが手に入ったわけではなく、クライアントについても、業界内に知り合いはいるものの仕事が成立していたのはあくまでTOMという看板があったからです。
会社という看板がない状態の自分に対して仕事を発注してくれる人はおらず、かといって自分自身のできることをうまく言語化することもできない。個人事業主になって早々、「結局のところ自分はなにものでもなかった」という事実を現実として突きつけられました。

そんな、内心めちゃくちゃ焦っている中、親切な方からつないでいただいたのが、ガリガリ編集部です。
企業担当者の方たちに向けて、企業とコンテンツのコラボレーションの事例を記事化し、アーカイブしていくメディアであるガリガリでは、記事作成に携わらせていただきつつ、それ以外にも企業とコンテンツのコラボ案件の企画立案やイベント運営など、今まで自分自身が経験したことがない数多くの仕事をさせていただきました。特に企業案件として、大好きなコンテンツが関連する仕事をさせていただいたときの喜びは、本当に言葉で言い表せないものでした。

宣伝となりますが、ガリガリとアニメビジエンスで運営しております、異業種とアニメのコラボレーションを作品として表彰する「第二回アニものづくりアワード」が今週から作品を募集開始しましたので、ぜひともご作品のご応募、お待ちしております!

また昨年夏ごろから、「温泉むすめ」というプロジェクトにも携わらさせていただいております。全国各地の温泉地をそれぞれ擬人化したキャラクターたちが、アイドル活動をとおして地域を盛り上げていく、というコンテンツです。
一昨年に立ち上がり、昨年はクラウドファンディングでは多くのファンの方々にご支援いただき、その後1stライブ・2ndライブを実施することができました。今年もこれから別府でのライブ、そして5月には3rdライブが控えている状況で、ますます盛り上げていけたらと考えています。こちらで現在、コラボレーションに関する営業などをさせていただいておりますので、お気軽にご相談いただけましたら幸いです。

そうして個人事業主として仕事をいただきつつ、2016年はじめ、業界内の知り合いから「アニメ業界にもっと多くの若者を!」とお声がけいただき、はじめることとなったのが現在のワクワークです。ひとりのファンとして、また末端ではあるもののアニメ業界に関わるものとして、業界に対して「人材」という側面からすこしでも恩返しができたらと思い、働いております。
これまでの文章を読んでくださったとしたらもうおわかりかと思いますが、これまた自分自身がまったく触れたことのない、人材領域で仕事です。われながら「なんでまた……」と思いますが、これもまた性分なのでしょう。

2016年5月に会社を立ち上げ、講演会などの学生の方々にむけたイベントを運営しつつ、初年度目の締めくくりとして、アニメ業界就職フェア「ワクワーク」を開催いたしました。はじめての大型イベント、かつ主に資金的な理由から企画・営業・PR・運営などすべてを自社で行う必要があり、イベント直前の1ヶ月は忙しさとプレッシャーで生きた心地がしませんでした。
イベント当日、「参加者がだれも来なかったらどうしよう?」と朝から震えが止まらなかったことを覚えています。そんな中、開場前にもかかわらず、何人もの参加者の方たちがイベントホール前にお越しくださり、その光景に心から安堵しました。最終的に464名の方々にご参加いただきました。ご参加いただいたみなさま、本当にありがとうございました! 出展企業様、ご登壇いただいた関係者の方々、イベントスタッフの皆様のお陰で目立った事故もなく、参加者の方からのアンケート結果も概ね好評でした。

そして、それから1年が経ち、アニメ業界就職フェア「ワクワーク2019」が早くも約1ヶ月半後に迫っている状況。前回のイベント実績もあり、昨年よりも出展企業数をすでに上回っております。また、参加いただく方々へより多くの出会いを創出すべく、現在進行形で企業様への営業を継続中です。