<ワクワーク2019 出展企業インタビュー>  第7回 ユーフォーテーブル有限会社制作部・近藤亮氏

 ワクワーク2019開催前日ということでさらに記事を公開!
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 さて、ワクワーク2019に出展いただく企業の人事担当の方々に、会社の事業内容や会社の特徴、今年の募集職種や求められる人物像についてお話をお聞きしていく本企画ですが、第7回となる今回は、『Fate』シリーズや『活撃 刀剣乱舞』など数々のアニメ作品を手がけられてきたユーフォーテーブル有限会社制作部 近藤亮氏にインタビューさせていただきました。

 映像制作のみならず、イベントの企画・運営やカフェの自社展開など幅広くビジネスをおこなわれているその背景と、そういった会社で働くために必要なことについてお話を伺ってまいりましのでぜ、ひご覧ください。

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――まず最初に御社が関わられている事業についてお教えください。

近藤亮氏(以下、近藤):
 アニメーションの制作を行っています。ufotableでは制作はもちろん、作画として原画、動画、背景美術、仕上げ、撮影、3Dといったセクションを社内に持ち、内製比率が高いのが特徴です。監督やキャラクターデザイン、美術ボード等のメインスタッフのワーク、シナリオから絵コンテのプリプロダクションは社内で行うことを基本として、スタジオをぐるっと一周するとアニメが概ね完成することができます。
 アニメの制作業務以外としては、徳島で開催しているイベント「マチ★アソビ」のプロデュースや、全国各地でカフェの展開を行っています。

――会社設立されてから現在にいたるまでで、会社としてのターニングポイントになった作品やエピソードがございましたらお教えください。

近藤:
 作品という意味でも体制を組むという意味でも、『空の境界』が大きかったように思います。
 それまでも、スタッフの育成は進めていたのですが、ここからいっきにシフトしました。代表の近藤が、いい作品を作るためには、作品に関わるスタッフが出来る限り近い距離で、日々コミュニケーションを取り、切磋琢磨していく環境が大切だ、といつも言っていて、『空の境界』はそれまで積み上げてきた新人の採用&育成が実を結び始めたタイミングにちょうどあたることができました。

 当時、自分たちでもかなり背伸びしながら作っていたのですが、結果として作品が評価され、ufotableのやり方が間違っていなかった、という手ごたえになりました。
 また、『空の境界』でそういった体制を組めたことで、その後の作品では、スタジオ全体に目標を設定して、一つ作品が終わるたびに大きく成長する、という積み重ねが出来るようになりました。『Fate/Zero』でTVシリーズにその方法論を持ち込み、『Fate/stay night [Unlimited Blade Works]』ではそれを熟成。『空の境界』で動画だったスタッフが、『活撃刀剣乱舞』ではキャラクターデザイナーとしてデビューしています。作品を終えるたびに成長が実感できる、というのは、働いていて大きな喜びです。

――映像制作以外に、イベントや飲食店のプロデュースをされている点は非常に特徴的ですが、こういった事業はどのようにしてはじまったのですか。

近藤:
 カフェ事業の立ち上げは非常にシンプルで、自分達が作っている作品のファンの方たちとのコミュニケーションの場として考えました。僕らはテレビや映画を制作していますが、なかなか接点がない。カフェ立ち上げのタイミングでは劇場作品もまだ制作していなかったのでその顔も見ることが出来なかった。それが、毎日、ユーザーの顔を見ることができ、時には、作品のファンが店の前に列を作るようになってきて、スタジオからその光景が見えるんです。これは強烈なモチベーションになりました。今は、ユーザー同士のコミュニケーションの場にもなっています。

 マチ★アソビについては、その前段として近藤が「地方にスタジオを作りたい」と言っていて。腰を据えて人材を育成することを考えると、人の出入りが激しい都心で行うよりも地方の方が環境として適しているのですね。いくつかの候補地がある中で、最終的にご縁があったのが徳島です。近藤が提案する形で阿波踊りのポスターの依頼があり、その反響のままにイベントもやろうということになったと聞いています。
 徳島ではカフェ以外にもufotable CINEMAとして映画館の営業も行っていますが、これは年に2回開催のマチアソビの点を線にするためと近藤から説明をうけましたが、乗りかかった船の意味合いが大きかったんじゃないでしょうか。やるしかない、的な。結果、自分たちが作った映画を自分たちの手でひとりでも多くのユーザーに届けることができる場ができたことはスタッフ皆喜んでいます。