【企業研究 第一回】ピクシブとはなんの会社なのか? これからの10年に必要な人材論 <後編>

──採用においては面接の場面が、まさしく今語っていただいた人柄を判断する場となるのではないかと思うのですが、丸山さんはどういった点から人柄を判断されるのでしょうか。

丸山:
 単純なポイントとしては、好きなものを語ってもらう際、どれだけ熱を持って語れるかという点を見ています。本当に好きであれば、それは話を聞いていてわかりますし、僕やほかの面接官に議論を持ちかけられても、本人の持論を元に楽しく話を展開できるのではないかと思います。

──なるほど!非常にわかりやすいご説明、ありがとうございます。そこまで明確な判断軸をお持ちであれば、きっと採用活動もスムーズに進められていらっしゃるのではないでしょうか。

丸山:
 いや、そんなことは全然ないです(笑) むしろ売り手市場と言われる時代に人事をやることになってしまって、悩みも多かったりしますよ。景気が良いほど各社で採用活動が活発になるため、良い人を取るのが難しくなり、人事の仕事も必然的に大変になります。今がまさにそのタイミングで、エンジニア職もビジネス職も採用に苦労しています。

──それはすごく意外です。

丸山:
 おかげさまで、多数の応募をいただけることは事実です。ただ贅沢な話でもあるのですが、我々がともに仕事をしたいと思うような方は、その中でもごくごく一部ではあるので、中々思うように採用がすすまないんです。やはり良い人はその分、ほかの会社様からも内定が出ますし、仮にこちらがオファーを出したとしても、他社さんにいかれるケースもあります。

──そういった競合にあたる企業と比較されるにあたり、ピクシブの強みや魅力は現在どのように発信されているのでしょうか。

丸山:
 9月に開催した「pixiv MEETUP -10th ANNIVERSARY-」はまさしく、ピクシブ自体のことを知ってもらうために行ったイベントです。とはいえ、もっと自分たちで情報発信をしていかなくてはいけない、という点については課題を感じています。エンジニアの技術的な社内トピックをもっと発信したり、ビジネス職に関する内容をブログで公開するなど、まだ手を付ける余地のある方法はいくつもあると思っています。
 あとは、応募いただく方のモチベーションを上げるためにも、ピクシブという会社で働くことのメリットももっとわかりやすく伝えていく必要があるなと感じています。

──具体的にはどのようなメリットがあると考えていらっしゃいますか。

丸山:
 ひとつは社員全員にチャレンジするための機会が常に与えられていることがあげられると思います。現在ピクシブではpixiv以外の多数のサービスが展開されていますが、基本的には本人がチャレンジしたいというプロジェクトに手を上げれば、社内として出来る限りみとめるという風土ができあがっています。それは仮に新規プロジェクトであったとしても一緒です。大企業において、自分自身でサービスをローンチする機会に恵まれることは希少で、それは非常に価値のある経験だと思いますが、ピクシブであればその機会を提供することができます。
 また社員全員が「ユーザーファースト、クリエイターファースト」という同じミッションのもとで働いているということも魅力といえるのではないかと思います。売上など各種KPIを目標に働くことが多い昨今、ピクシブでは「ユーザーに真剣に向き合うこと」のみに集中することができます。ユーザーにとってのサービス価値をとことん突き詰めて考え、その答えがそのまま自分たちの次のアクションとなる、というのは当たり前なようでいて、中々得難い環境です。

──そういった社風を維持していくために、現在社内で取り組まれている制度やイベントなどはあったりされるのでしょうか。

丸山:
 まずオフィスのあり方に特徴が表れているかなと思います。大体の会社が、部署ごとに席を配置することが多いのではないかと思いますが、ピクシブではサービスごとに島を作っていきます。同じプロジェクトであれば、ビジネス職もエンジニア職も分け隔てなく同じスペースで作業をする、そうすることで自然と議論も生まれ、自由に意見を言い合える風土が培われていきます。また、コミュニケーションを阻害する大きな要素として、ほかのメンバーが今何をしているかわからない、ということがあげられますので、週に一回全社員が集まって情報共有会を開催し、その週に生まれたナレッジやプロジェクトの進捗を全体共有できるよう努めています。

 また、esaというツールを使って、社員同士で「こういったことをやりたい」という意思表明を日常化させています。最近数えてみたらトピックだけですでに5000個近くありました。利用して3年ほどなのですが、トピックに対して「いいね!」だったり「ここ、もっとこうしたほうがいいよ」など、社内からいろいろコメントが付くこともあり、すっかり定着化しましたね。

 あとはプレゼン大会を年に数回開催しています。プレゼン内容は様々ですが、社長や役員が見ている中で「自分自身にこんな課題を感じている」や「このサービスはもっとこうしたほうがいい」などを発表します。このプレゼン大会で、おもしろいね!と認められれば、pixiv Sketchのようにサービスとしてプロジェクトチームが組まれることもあり、みんな真剣にのぞみます。今年の夏にやった期初会では運動会とプレゼン大会を一緒にやったんですが、今回は「現在別れてしまっている2階と6階のオフィスのコミュニケーション方法」をテーマに行ったところ、思い出を全社員で共有するといいのではないかというアイディアがでました。思い出を共有するためにはやはり写真だろ、ということになり、社内コミュニケーションツールとして使っているSlack上に、期初会中どんどん今までの写真がアップロードされて思い出話に花が咲いたり、と決まったアイディアについてはすぐに乗っていく社風がそこにもあらわれましたね。

2階のオフィス風景

6階のオフィス風景

2階エントランスにはイラストレーターの方々の絵馬が!

 もうひとつ特徴的なところでいえば、正社員、契約社員、アルバイトという働き方の差はあっても、業務として携われる深さに変わりはない、という点は特徴といえるかもしれません。正社員だから偉い、といった考え方は社内にないので、働き方によってヒエラルキー的なものが発生することもありません。

──エンジニアの方が主体であれば、リモートで携わるという方法もあるのかなと思うのですが、そちらはいかがでしょう。

丸山:
 リモートワークについては経営陣でも過去検討したのですが、結論としてはなしとなりました。というのもピクシブの良さはやはりメンバー全員がひとつの場所に集まるからこそ生まれることだと思っています。全員が同じ時間同じ場所で作業をする、という文化はぶらさずにいきたいと考えています。
 同じような内容として、海外展開についてもご質問をいただくことがあるのですが、現状はあまり想定していません。ピクシブが発信している文化は日本発だと認識していますので、やはりサービスの拠点は日本にあるべきだろうと考えています。もし外国の方でピクシブで働きたいと思ってくださるのでしたら、ぜひ日本にお越しいただきたいなと思っています。

──最後の質問となりますが、今後コンテンツ業界を志望する学生に向けて、メッセージをいただけますでしょうか。

丸山:
 Web業界に限らず、流行りものにとりあえず手を出してみるということがすごく重要だと思います。特にWeb業界を目指すのであれば、トレンドや最新技術、今後来そうなサービスなどには目を向けてほしいですね。最近あったエピソードなんですが、ひとりの社員が「17Live」というアプリの魅力について30分間ほかのメンバーに熱く語り尽くす、という場面がありました。
 なにが流行っているかももちろん大事ですし、そういった新しい情報にアンテナをはるクセを学生時代につけるということも重要です。可能なら、そこからもう一歩発展させて、「そのトレンドが何故生まれているのか?」と考察することや、自分自身が興味がなかったことにまで感心を向けることまで出来てくると、人としての厚みが増していくと思います。物事を体系化すること、言語化することは、社会人になってから絶対に役に立ちますので、そのことを意識しつつ就職活動にのぞんでいただけたらと思います。

──お時間をいただき、ありがとうございました!

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